実家を売却することになったものの、「寂しい」「本当に手放していいのかな」と気持ちが揺れている人は少なくありません。
実家には、家族と過ごした時間や子どもの頃の思い出が残っています。建物そのものだけでなく、そこで過ごした日々まで手放してしまうように感じることもあるでしょう。
一方で、誰も住まなくなった実家をそのまま残しておくと、管理や固定資産税などの負担が続くこともあります。
この記事では、実家を売却するのが寂しいと感じる理由や、気持ちを整理するために売却前にできることについて解説します。
実家を売却するのが寂しいと感じるのはおかしいことではない
実家の売却を考えたとき、「寂しくてなかなか決断できない」と感じるのは、決して珍しいことではありません。
実家は単なる建物ではなく、家族と過ごした時間や自分自身の記憶が重なっている場所だからです。
子どもの頃に過ごした部屋、家族が集まっていたリビング、庭の風景など、家のさまざまな場所に思い出が残っていることもあります。
そのため、売却によって建物がなくなることを考えると、「思い出までなくなってしまうような気がする」と感じることがあります。
売却を決めた後に寂しさが出てきても、「もう決めたのだから気にしてはいけない」と無理に気持ちを切り替える必要はありません。

寂しいと感じる心は、あなたが実家を大切に思っていた証拠ですよ。
実家の売却が寂しいと感じる主な理由
思い出のある家そのものがなくなるから
実家を売却すると、これまで当たり前のように存在していた家に自由に入れなくなります。
特に長年暮らしていた家の場合、「いつでも帰れる場所」がなくなるように感じることがあります。
実家に帰れば昔と同じ景色が見られると思っていたのに、その場所自体がなくなることに寂しさを感じる人もいるでしょう。
家族と過ごした時間を思い出すから
実家には、家族で食事をしたり、誕生日や行事を過ごしたりした記憶が残っています。
現在は家族が別々に暮らしていても、実家を見ることで昔の生活を思い出すことがあります。
そのため、家を売却することが「家族との思い出を手放すこと」のように感じられる場合があります。
「帰る場所」がなくなるように感じるから
実家を離れて長い年月が経っていても、「実家に帰る」という感覚を持っている人はいます。
親が住まなくなった後も、実家が残っていれば帰る場所があると感じられるでしょう。
売却すると、その場所にはもう自由に帰れません。そのことが寂しさにつながることがあります。
寂しいからといって、気持ちを無理に整理する必要はない
実家の売却を進めるとき、寂しい気持ちを早くなくそうとする必要はありません。
「売ると決めたのだから前向きにならなければ」と考えると、かえって気持ちがつらくなることもあります。
実家に愛着があるからこそ寂しいのであって、その気持ちは実家で過ごした時間を大切にしてきた証でもあります。



そう思えるあなたであれば、これからの選択もきっと後悔のないものにできます。
売却という現実的な手続きと、実家への思いは分けて考えてもかまいません。
売却を進めながら寂しさを感じることもあれば、売却が終わってから寂しくなることもあります。
実家を売却する前に思い出を残しておく
実家を手放す寂しさが強い場合は、売却前に思い出を残しておく方法があります。
家の中を写真に残す
外観だけでなく、家族が過ごした部屋や思い出のある場所も写真に残しておきましょう。
何気ない廊下や窓から見える景色なども、後から振り返ったときに大切な記憶になることがあります。
「写真を撮っておけばよかった」とならないよう、売却を進める前に時間を作って撮影しておくとよいでしょう。
動画で家の中を記録する
写真だけでなく、動画で家の中を記録しておく方法もあります。
部屋を歩きながら撮影しておけば、写真では残しにくい家の雰囲気や音、窓からの景色なども記録できます。
後から見返すことで、「この家でこんな時間を過ごした」と思い出せるでしょう。
思い出の品をすべて処分しない
実家を売却するからといって、思い出の品をすべて手放す必要はありません。
写真やアルバム、家族にとって特別な品など、「これは残しておきたい」と思うものを選んで手元に残しておきましょう。
実家の片付けについては、売却前にすべてを処分しなければならないとは限りません。片付けにかかる費用や、どこまで片付けるかについては、こちらの記事も参考にしてください。
実家の片付け費用はいくら?相場・内訳・安くする方法と売却前のポイントを解説
家族と実家の思い出を話しておく
実家を売却する前に、家族で思い出を話しておくのも一つの方法です。
「この部屋でこんなことがあった」「昔はここで家族みんなで食事をしていた」など、実家で過ごした時間を振り返ってみましょう。
一人で抱えていた寂しさを家族と共有することで、実家を手放すことについて少し気持ちを整理しやすくなる場合があります。
家族それぞれに違った思い出があることに気づくきっかけにもなります。
実家を最後に訪れる時間を作る
売却が決まったら、最後に実家を訪れる時間を作るのもよいでしょう。
家の中をゆっくり見て回ったり、思い出の場所で写真を撮ったり、家族と一緒に過ごしたりすることで、自分なりの区切りをつけられることがあります。
「これで最後」と考えると寂しさが強くなるかもしれませんが、これまで暮らしてきた家に感謝する時間として考えてみるのもよいでしょう。



ゆっくりと、家に『ありがとう』と言ってあげられれば、それで十分です。
実家を売却した後に寂しくなったら
実家を売却した後になって、急に寂しさを感じることもあります。
売却手続きの間は片付けや書類の準備などに追われていても、すべて終わった後に「もうあの家には帰れないんだ」と実感することがあるからです。
そのようなときは、無理に気持ちを切り替えようとせず、写真や動画を見返したり、家族と実家の思い出を話したりしてもよいでしょう。
実家という建物がなくなっても、そこで過ごした時間までなくなるわけではありません。
家を手放した後も、実家で過ごした記憶は自分の中に残り続けます。
寂しい気持ちだけで売却を急いだり、先延ばししたりしない
実家への思いが強いと、「寂しいから売りたくない」と考えることがあります。
一方で、誰も住まなくなった実家を長期間そのままにしておくと、管理や費用の負担が続くこともあります。
親の家に誰も住まなくなった場合に、残す・活用する・売却するなど、どのような選択肢があるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
親の家に誰も住まないときはどうする?残す・活用・売却の選択肢
大切なのは、寂しいという気持ちだけで結論を急ぐことでも、寂しさを理由に必要な判断をいつまでも先延ばしすることでもありません。
実家への気持ちを大切にしながら、家の状態や管理の負担、家族の事情なども含めて考えていきましょう。
実家を売却すると決めたら、気持ちと手続きを分けて考える
実家を売却することになったら、寂しいという感情と、売却に必要な手続きは別々に考えると整理しやすくなります。
気持ちの面では、写真や動画を残したり、思い出の品を選んだり、家族と過ごす時間を作ったりすることができます。
一方、売却については、不動産会社への査定依頼や売却方法の検討など、具体的な準備を進める必要があります。
実家を売却するときの流れをあらかじめ知っておけば、何をすればよいのかわからない不安も減らせます。
相続した実家を売却する場合の手続きや流れについては、こちらの記事も参考にしてください。
相続した家を売却する流れとは?必要な手続き・費用・注意点を解説
実家を売るのが寂しいときこそ、自分なりの区切りをつける
実家を売却するのが寂しいのは、そこに大切な思い出があるからです。
「売却するのだから、もう気持ちを切り替えなければ」と考える必要はありません。
写真や動画を残す、思い出の品を選ぶ、家族と実家について話す、最後に家を訪れるなど、自分なりの方法で思い出を残しておきましょう。
そして、実家を手放すことと、実家で過ごした時間を手放すことは同じではありません。
建物がなくなっても、そこで過ごした時間や家族との思い出まで消えるわけではありません。



思い出は、これからもずっとあなたの心の中に残り続けますから。
寂しいという気持ちを無理に消そうとせず、それを抱えたままでも少しずつ売却に向けて進んでいけばよいのです。
実家との別れを、自分や家族にとって納得できる形にすること。それが、売却後も思い出を大切にしていくための一つの方法です。








