相続した土地を使う予定がなく、「このまま持ち続けるより売却したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
相続した土地を売却する方法には、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」や、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」などがあります。
ただし、土地の状態や立地、境界の状況などによって、向いている売却方法は変わります。
また、相続した土地を売却する場合は、相続登記や取得費、税金についても確認しておくことが大切です。
この記事では、相続した土地を売却する方法と、売却前に確認しておきたい土地特有のポイントについて解説します。
相続した土地を売却する主な方法
相続した土地を売却する方法として、まず考えられるのが「仲介」と「買取」です。
どちらを選ぶかによって、売却までの進め方や売却価格、売却期間などが変わるため、土地の状況や希望に合わせて検討する必要があります。
仲介で売却する
仲介は、不動産会社に依頼して土地の買主を探してもらう方法です。
不動産会社が土地の査定や販売活動を行い、購入希望者が見つかった場合は、売買契約を結んで土地を引き渡します。
できるだけ市場で買主を探したい場合や、売却まである程度時間をかけられる場合には、仲介を検討できます。
一方で、土地の立地や形状、接道状況などによっては買主が見つかるまで時間がかかることもあります。
買取を利用する
買取は、不動産会社などが土地を直接買い取る方法です。
仲介のように一般の購入希望者を探す必要がないため、売却までの期間を短くできる場合があります。
ただし、仲介と買取では売却価格の考え方が異なるため、最初から一つの方法に決めるのではなく、土地の状況を確認したうえで比較することが大切です。

仲介と買取、どちらがいいかは土地の条件によって変わります。
仲介と買取の違いについて詳しく知りたい場合は、不動産買取と仲介の違いは?手数料・メリット・デメリットを比較も参考にしてください。
相続した土地を売却する前に確認したいこと
相続した土地は、すぐに売却方法を決めるのではなく、まず現在の権利関係や土地の状態を確認しておきましょう。
相続登記が済んでいるか確認する
相続した土地を売却する場合は、誰がその土地を所有しているのかを明確にしておく必要があります。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続したことを知った日から3年以内に申請することが原則です。
まだ相続登記をしていない場合は、売却の準備とあわせて名義の整理について確認しておきましょう。



売却を考えているなら、まず名義を確認しておきましょう。
相続した家の名義変更については、相続した家の名義変更をしないとどうなる?相続登記の期限と放置するリスクを解説でも詳しく解説しています。
土地の境界が確認できるか調べる
土地を売却するときは、隣接する土地との境界が明確になっているか確認することも重要です。
古くから所有している土地や、相続によって取得した土地では、境界標の位置が分からなかったり、登記上の面積と実際の土地の状況を確認する必要があったりする場合があります。
境界がはっきりしない場合は、売却を依頼する不動産会社に相談し、測量や境界確認が必要か確認しましょう。



境界が分からなくても、まずは不動産会社に相談してみましょう。
土地の種類や利用状況を確認する
相続した土地がすべて同じ条件で売却できるわけではありません。
宅地として利用されている土地だけでなく、農地や山林などの場合は、土地の種類に応じて確認すべき事項があります。
特に農地を売却する場合は、原則として農業委員会の許可が必要になるため、通常の宅地とは手続きが異なります。
自分の土地がどのような地目になっているのか、登記簿や固定資産税の資料などで確認しておきましょう。
土地の状態によって売却方法を考える
相続した土地を売却する場合、「仲介と買取のどちらがよいか」だけでなく、その土地がどのような状態なのかを確認することが大切です。
一般的な宅地として売却しやすい土地
住宅地などで買主が見つかる可能性がある土地なら、まず仲介による売却を検討できます。
不動産会社に査定を依頼し、周辺の取引状況や土地の条件を確認したうえで、売却価格や販売方法を決めていきます。
複数の不動産会社に相談することで、査定価格だけでなく、その土地をどのように売却するのかについて比較しやすくなります。
買主を見つけにくい土地
土地の形状や立地、接道状況などによっては、一般的な仲介では買主を見つけにくい場合があります。
そのような土地では、買取に対応している不動産会社へ相談する方法もあります。
ただし、買取価格や対応できる土地の条件は不動産会社によって異なるため、土地の状況を伝えたうえで相談することが大切です。
共有名義になっている土地
相続した土地を複数の相続人で共有している場合は、自分一人の判断だけで土地全体を売却できるとは限りません。
共有名義になっている場合は、誰がどの持分を所有しているのかを確認し、売却について相続人・共有者の間で話し合う必要があります。



共有名義なら、自分だけで売却を決めないことが大切です。
共有持分だけを売却する方法もありますが、通常の土地売却とは異なるため、状況に応じた検討が必要です。
共有持分については、共有持分だけ売却できる?相続した不動産の売却方法と注意点で詳しく解説しています。
相続した土地を売却するときにかかる税金
相続した土地を売却するときは、売却代金だけでなく、売却後の税金についても確認しておきましょう。
譲渡所得税がかかる場合がある
土地を売却して利益が出た場合、その利益について譲渡所得として課税される可能性があります。
譲渡所得は、基本的に売却代金から取得費や譲渡費用などを差し引いて計算します。
相続した土地の場合、取得費は相続した人が新しく決めるものではなく、原則として被相続人がその土地を取得したときの購入代金や購入手数料などを引き継ぎます。
土地の取得費が分からない場合もある
相続した土地が古くから所有されていた場合、被相続人が購入したときの契約書などが見つからず、取得費が分からないことがあります。
取得費が分からない場合などには、一定の条件のもとで、売却価格の5%相当額を取得費とすることができます。
そのため、売却を決める前に、被相続人が土地を取得したときの売買契約書や領収書などが残っていないか確認しておくとよいでしょう。
相続税を納めている場合は特例を確認する
相続した土地を売却する場合、一定の条件を満たすと、相続税の一部を土地の取得費に加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」を利用できる場合があります。
この特例には、相続税が課税されていることや、一定の期間内に売却することなどの要件があります。
自分が対象になるかどうかは、相続税の申告状況や売却時期などによって変わるため、税務署や税理士などに確認しておきましょう。
相続した実家を売却する際の3,000万円特別控除については、相続した実家の3,000万円特別控除とは?適用条件と売却時の注意点も参考にしてください。
相続した土地を売却するときの進め方
相続した土地を売却するときは、土地の状況を確認したうえで、次のように進めると整理しやすくなります。
- 相続登記や所有者を確認する
- 土地の地目や利用状況を確認する
- 境界や面積などを確認する
- 不動産会社に土地の査定を依頼する
- 仲介と買取などの売却方法を検討する
- 売却条件を決めて売却活動を進める
- 売買契約・決済・引き渡しを行う
土地の状態によっては、売却前に測量などが必要になる場合もあります。
また、農地などの場合は通常の宅地とは異なる手続きが必要になることがあるため、土地の種類を確認してから売却方法を決めることが大切です。
相続した土地を売却するときに注意したいポイント
最初から売却方法を一つに決めない
相続した土地を売却するときは、「仲介にする」「買取にする」と最初から決めてしまうのではなく、土地の条件を確認してから判断しましょう。
立地や形状、境界、地目などによって、買主の見つかりやすさや必要な手続きが変わるためです。
売却価格だけで判断しない
土地の売却では、査定価格が高ければ必ずその価格で売れるとは限りません。
査定価格だけでなく、その価格の根拠や販売方法、売却までの期間なども確認しておくことが大切です。
税金や費用を含めて手取りを考える
土地を売却した場合、売却代金のすべてが手元に残るわけではありません。
仲介を利用する場合の仲介手数料などの費用や、譲渡所得が発生した場合の税金なども考慮して、売却後にいくら残るのかを確認しておきましょう。
相続した土地は状況に合った方法で売却を検討しよう
相続した土地を売却する方法には、仲介と買取があります。
ただし、どちらを選ぶかは土地の立地や形状、境界、地目、共有状況などによって変わります。
まずは相続登記や土地の状態を確認し、不動産会社に査定を依頼して、どのような売却方法が考えられるのか確認してみましょう。
また、相続した土地を売却する場合は、取得費や譲渡費用、利用できる特例についても確認しておくことが大切です。
相続した土地をそのまま所有し続けるのか、売却するのか迷っている場合でも、まずは現在の土地の状況を整理することから始めてみましょう。








