親が老人ホームに入ったあと、「実家はしばらくそのままにしておいてもいいの?」「まだ売ると決めていないけれど、何をしておけばいい?」と悩むことがあります。
親が老人ホームで暮らすようになっても、実家をすぐに売却しなければならないわけではありません。親が戻る可能性がある場合や、家族で今後について話し合う時間が必要な場合など、実家をそのまま残しておく選択肢もあります。
ただし、誰も住まなくなった実家を何もせず放置するのは避けたいところです。

放置してしまうと、あとから思わぬトラブルが起きることもあるんです!
この記事では、親が老人ホームに入ったあとに実家をそのまま残す場合に確認したいことや、管理のポイント、今後の選択肢についてわかりやすく解説します。
親が老人ホームに入った後、実家をそのままにしてもいい?
親が老人ホームに入ったからといって、実家をすぐに売却したり処分したりする必要があるとは限りません。
たとえば、次のような事情があれば、しばらく実家を残しておくことも考えられます。
- 親が将来、自宅に戻る可能性がある
- 親本人が実家を手放したくないと考えている
- 家族で今後の方針をまだ決めていない
- 家財道具や重要書類の整理が終わっていない
- 相続や将来の利用について考える時間が必要
大切なのは、「そのままにする」ことと「何もしない」ことを分けて考えることです。



「そのまま」=悪いわけではありません。ただ「何もしない」だけは絶対に避けましょう!
実家を残すと決めた場合でも、家の状態を確認したり、郵便物を確認したり、必要な管理を続けたりする必要があります。
実家をそのまま残す前に確認したいこと
老人ホームへの入居後、実家をしばらく残すのであれば、まず現在の状況を整理しておきましょう。
親が実家に戻る可能性を考える
まず確認したいのは、親が将来実家に戻る可能性があるかどうかです。
老人ホームに入ったからといって、必ずしも今後ずっと実家に戻らないとは限りません。本人の希望や健康状態、施設での生活状況などによっても変わります。
親が戻る可能性があるのであれば、家財道具を急いで処分したり、家を売却したりする前に、本人の意向を確認しておくことが大切です。
実家の名義を確認する
実家を今後どうするか考える前に、不動産の名義も確認しておきましょう。
親名義の家であれば、子どもが家族だからという理由だけで、自由に売却できるわけではありません。
親が自分で判断して手続きをできる状態なのか、誰が実家の管理を担うのかなども含めて確認する必要があります。
親名義の不動産を子どもが管理する場合については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
家の中に何が残っているか確認する
老人ホームへ入居すると、実家には家具や衣類、写真、通帳などの貴重品、契約関係の書類などが残っていることがあります。
実家をそのまま残す場合でも、重要なものがどこにあるのかは確認しておきましょう。
特に、不動産の権利関係に関する書類や金融関係の書類などは、家族の間で所在を把握しておくと安心です。
一方で、親本人の所有物を家族の判断だけですべて処分するのは避けたほうがよいでしょう。処分するものについては、できる限り本人の意向を確認してから進めます。
実家をそのまま残すなら最低限の管理が必要
誰も住まなくなった実家は、住んでいたときとは違う管理が必要になります。
特に注意したいのが、換気、雨漏り、水回り、庭木、郵便物、防犯などです。
定期的に室内を確認する
長期間、人が住んでいない家は、異常があっても気づきにくくなります。
定期的に室内へ入り、雨漏りやカビ、水漏れ、設備の異常などがないか確認しましょう。
遠方に住んでいて自分で管理することが難しい場合は、家族だけで抱え込まず、空き家の管理サービスなどを利用する方法もあります。



無理して全部自分でやろうとしなくて大丈夫。サービスをうまく使うのもコツですよ!
空き家を自分で管理する場合の方法や、管理できない場合の対応については、こちらの記事も参考になります。
空き家の管理ができない場合はどうする?自分で管理する方法と放置リスク・解決策を解説
郵便物や重要な通知を確認する
実家に誰も住まなくなると、郵便物がたまってしまうことがあります。
重要な通知が届いている可能性もあるため、定期的に確認できる体制を作っておきましょう。
必要に応じて、郵便物の転送なども検討します。
庭や建物の状態を確認する
庭の草木が伸びすぎたり、建物の外壁や屋根などに問題が発生したりすると、近隣への影響が出ることもあります。
実家をそのまま残す場合でも、「誰が確認するのか」「どのくらいの頻度で確認するのか」を決めておくことが重要です。
実家をそのままにする場合に気をつけたい固定資産税
親が老人ホームに入って実家に住まなくなっても、不動産を所有している限り、固定資産税などの負担について考える必要があります。
「誰も住んでいないから税金がなくなる」というわけではありません。



「住んでいないのに払うの?」と驚かれる方が本当に多いんです。でもこれが現実なんです…!
また、実家を長期間そのままにして管理が不十分になると、空き家に関する問題が発生する可能性もあります。
親名義の実家の固定資産税については、納税義務者と実際に負担する人が必ずしも同じとは限りません。詳しくはこちらの記事で整理しています。
親の家の固定資産税は誰が払う?親が住んでいない場合や子どもが払うケースを解説
親が老人ホームに入った後の実家にはどんな選択肢がある?
実家をそのまま残しておくことは、最終的な結論ではありません。
親の生活状況や家の状態、家族の考えが変われば、別の方法を選ぶこともできます。
そのまま残して管理する
親が戻る可能性がある場合や、家族で今後の方針を決めるまで時間を置きたい場合は、実家を残して管理する方法があります。
ただし、管理する人がいないまま時間だけが過ぎると、建物や敷地の状態が悪化する可能性があります。
「とりあえずそのまま」という場合でも、管理する人と確認する内容は決めておきましょう。
家族が住む
実家を子どもや親族が利用できるのであれば、家族が住むという方法もあります。
ただし、親本人の所有物を整理する場合や、名義・費用負担などについては、家族間で話し合っておくことが大切です。
賃貸として活用する
立地や建物の状態によっては、実家を賃貸住宅として活用する方法もあります。
ただし、貸し出すための修繕や設備の整備、入居後の管理などが必要になる場合があります。
将来、親が実家に戻る可能性がある場合は、賃貸にすることで簡単に戻せなくなる点にも注意が必要です。
売却する
親が実家に戻る可能性が低く、今後も使用する予定がないのであれば、売却を検討することもできます。
ただし、親名義の不動産を売却する場合は、親本人の意思や判断能力、必要な手続きなどを確認しなければなりません。
特に、親の判断能力が低下している場合は、家族の判断だけで売却を進めることはできません。
親の判断能力が低下した場合の不動産問題については、こちらの記事で詳しく解説しています。
親の判断能力が低下したら不動産はどうする?問題と対処法を解説
「そのままにする」と決めたときこそ期限を決めておく
親が老人ホームに入った直後は、施設での生活に慣れることや、親の身の回りのことを優先して、実家についてすぐに結論を出せないこともあります。
そのため、「今はそのまま残す」という判断自体は問題ありません。
ただし、「いつか考える」とだけ決めてしまうと、そのまま何年も経ってしまうことがあります。
そこで、実家を残す場合でも、次のようなことを決めておくとよいでしょう。
- 誰が実家を管理するのか
- どのくらいの頻度で家を確認するのか
- 固定資産税などの費用を誰が負担するのか
- 親の荷物をどうするのか
- 親が戻る可能性についていつ見直すのか
- 将来的に売却・賃貸・利用などを検討する時期
最初から売却や処分まで決める必要はありません。
まずは実家を安全に維持しながら、親本人の希望と家族の状況を確認し、その後の方向性を考えていくことが大切です。
親が老人ホームに入った後の実家は「すぐ決めない」という選択もできる
親が老人ホームに入ったからといって、実家をすぐに売却しなければならないわけではありません。
親が戻る可能性がある、本人が実家を残したいと考えFている、家族で話し合う時間が必要などの事情があれば、実家をそのまま残しておくこともできます。
ただし、その場合でも「何もしない」のではなく、家の状態を確認し、管理する人を決め、必要な費用を把握しておくことが重要です。
そして、親の希望や生活状況、家族の事情が変わったときに、改めて実家を残すのか、活用するのか、売却するのかを考えればよいでしょう。
大切なのは、老人ホームへの入居をきっかけに、実家について家族で話し合う時間を作ることです。








