「家族信託を利用したいけれど、どのくらい費用がかかるの?」「専門家に依頼すると高額になるのでは?」と気になっていませんか。
家族信託には、信託契約書の作成、公正証書の作成、信託登記などに費用がかかります。さらに、専門家に依頼する場合は別途報酬が必要になるため、事前に全体の費用を把握しておくことが大切です。
この記事では、家族信託にかかる費用の目安や内訳、不動産を信託する場合の費用、専門家に依頼するときの注意点について解説します。
家族信託の費用はどのくらい?
家族信託にかかる費用は、信託する財産の種類や金額、契約内容、専門家への依頼の有無などによって変わります。
一般的に、専門家に依頼して家族信託を組成する場合は、数十万円から100万円程度が一つの目安になります。

家族信託は財産の種類や契約内容で費用が変わるため、相場だけでなく内訳まで確認しておきましょう。
特に不動産を信託する場合は、契約書の作成費用だけでなく、登録免許税などの実費も必要になります。
そのため、「家族信託は○万円」と一律に考えるのではなく、どのような費用が発生するのかを分けて確認することが大切です。
家族信託にかかる主な費用の内訳
家族信託を利用するときに確認しておきたい主な費用は、次のとおりです。
- 専門家への報酬
- 信託契約書の作成費用
- 公正証書の作成費用
- 不動産の登録免許税
- 登記事項証明書などの取得費用
- その他の実費
すべてのケースで同じ費用が発生するわけではありません。信託する財産に不動産が含まれるか、専門家にどこまで依頼するかによっても変わります。
専門家への報酬
家族信託の設計や契約書作成などを司法書士や弁護士などの専門家に依頼する場合は、専門家への報酬が必要です。
報酬は依頼する専門家や信託財産の規模、契約内容などによって異なります。信託する財産が多い場合や、複数の不動産を含む場合などは、費用が高くなることがあります。
また、相談だけの場合と、家族信託の設計から契約書作成、不動産登記まで一括して依頼する場合では、必要な費用が異なることにも注意しましょう。
信託契約書の作成費用
家族信託では、親を委託者、子どもなどを受託者として、財産の管理方法や信託の目的などを契約書に定めます。
契約書を専門家に作成してもらう場合は、その作成報酬が発生します。
信託する財産や当事者の人数、契約内容などによっても費用は変わるため、見積もりを取る際には契約書作成だけでなく、家族信託全体にかかる費用を確認することが大切です。
公正証書の作成費用
家族信託の契約を公正証書にする場合は、公証役場に支払う手数料が必要です。
公正証書の手数料は、信託する財産の価額などによって異なります。
そのため、家族信託の費用を考えるときは、専門家への報酬だけでなく、公正証書にする場合の手数料も含めて考えておきましょう。
不動産の登録免許税
不動産を家族信託する場合は、信託の登記を行う必要があります。
このときに発生するのが登録免許税です。
登録免許税は、信託する不動産の固定資産税評価額などをもとに計算されるため、不動産の価額によって必要な金額が変わります。
実家を家族信託する場合など、不動産が含まれるケースでは、この登記費用も忘れずに確認しておきましょう。
登記事項証明書などの取得費用
不動産の家族信託では、登記に必要な書類を取得するための実費もかかります。
たとえば、登記事項証明書や戸籍など、手続きの内容に応じて必要な書類を取得します。
一つひとつの金額は大きくなくても、複数の書類を準備する場合には、その分の実費が必要になります。
不動産を家族信託すると費用はいくらかかる?
実家などの不動産を家族信託する場合は、契約書の作成だけでなく、不動産の信託登記に関する費用も考える必要があります。
そのため、金銭だけを信託する場合と比べて、必要な費用が増えることがあります。
特に確認しておきたいのが、次の費用です。
- 専門家への報酬
- 公正証書の手数料
- 登録免許税
- 登記事項証明書などの取得費用
- その他の実費
実家の管理や売却について家族信託を検討している場合は、費用だけでなく、信託によって誰が不動産を管理するのかも確認しておく必要があります。
そもそも家族信託がどのような仕組みなのかを知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
認知症になる前に考えたい家族信託とは?親の財産管理で知っておきたい仕組み
家族信託を専門家に依頼するときの費用
家族信託は自分たちで契約内容を決めて手続きを進めることもできますが、信託する財産に不動産が含まれる場合や、契約内容が複雑な場合は専門家への相談を検討することも大切です。
専門家に依頼すると、その分の報酬がかかります。
一方で、家族信託は単に契約書を作れば終わるものではありません。誰の財産を誰が管理するのか、どの財産を信託するのか、将来的にどのように管理・処分するのかなどを考えて契約内容を決める必要があります。
そのため、費用だけで専門家への依頼を判断するのではなく、どこまでサポートしてもらえるのかを確認することが重要です。



「安いかどうか」だけでなく、契約書作成や登記など、どこまで対応してもらえるのかを確認することが大切です。
家族信託の費用を確認するときの注意点
総額でいくらかかるのか確認する
家族信託の見積もりを取るときは、「専門家への報酬はいくらか」だけでなく、手続きに必要な実費まで含めた総額を確認しましょう。
専門家への報酬とは別に、公正証書の手数料や登録免許税、書類の取得費用などが必要になる場合があります。
最終的にいくら支払うことになるのかを確認しておけば、契約後に想定外の費用が発生することを避けやすくなります。
何が料金に含まれているか確認する
同じ「家族信託の費用」でも、専門家によって料金に含まれる業務が異なる場合があります。
たとえば、初回相談だけなのか、信託設計まで含まれるのか、契約書の作成や公証役場との調整、不動産登記まで対応してもらえるのかを確認しましょう。
料金だけを比較するのではなく、その料金でどこまで対応してもらえるのかを見ることが大切です。
信託する不動産の数を確認する
実家だけでなく、複数の不動産を家族信託する場合は、手続きや登記にかかる費用が変わる可能性があります。
土地と建物を所有している場合や、複数の不動産を信託する場合は、対象となる不動産を整理したうえで見積もりを依頼しましょう。
家族信託の費用を抑えるために確認したいこと
家族信託にかかる費用をできるだけ抑えたい場合でも、単純に一番安いサービスを選べばよいとは限りません。
まずは、自分たちがどの財産を信託したいのか、誰が管理するのか、将来的に何をしたいのかを整理しておきましょう。
そのうえで、必要な手続きと費用を確認すると比較しやすくなります。
また、複数の専門家に相談して、料金だけでなく対応範囲を比較する方法もあります。



見積もりを比較するときは、料金だけでなく「何が含まれているか」まで確認しておくと安心です。
家族信託の費用だけでなく認知症後の不動産管理も考えておく
家族信託を検討するきっかけが「親が認知症になったら実家をどう管理するのか」という問題であれば、費用だけでなく、その後の不動産管理についても考えておく必要があります。
親の判断能力が低下すると、家族が親名義の不動産を自由に売却できるとは限りません。
認知症になった親の不動産を家族が勝手に売却できない理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
認知症の親の不動産は勝手に売却できる?売れない理由と対処法を解説
また、親が認知症になった場合の銀行口座への影響についてはこちらで確認できます。
親が認知症になったら銀行口座はどうなる?口座凍結と不動産管理を解説
家族信託の費用は事前に総額を確認しておこう
家族信託には、専門家への報酬だけでなく、公正証書の手数料や不動産の登録免許税、書類の取得費用など、さまざまな費用がかかります。
特に実家などの不動産を信託する場合は、不動産の登記にかかる費用も考えておく必要があります。
費用の目安だけで判断するのではなく、何にいくらかかるのか、料金にどこまでの業務が含まれているのか、最終的な総額はいくらになるのかを確認してから利用を検討しましょう。
また、家族信託を検討している段階で、すでに親の判断能力が低下している場合は、家族信託以外の方法が必要になることもあります。
家族信託と成年後見制度のどちらを選ぶべきかについては、こちらの記事で違いを比較しています。








